【映画感想】天気の子〜少年少女の必死に生きる姿を描く話題作

アニメ日本, 感動する

天気の子

★★★★★★★☆☆☆

新海誠監督による話題の映画「天気の子」を劇場で鑑賞。

離島から家出してきた少年・帆高、一時的に天気を「晴れ」にする不思議な能力をもつ少女・陽菜。
多感で繊細な10代の時期を、少年少女が必死に生きる姿を描いた話題作です。

※記事ラストに一部ネタバレを含む感想があります。お気をつけください!

映画情報

天気の子
初公開:2019年7月19日 
監督: 新海誠
国:日本
上映時間:112分
配給:東宝

映画「天気の子」

「君の名は」に続く新海誠監督の作品ということで、とにかく上映前は特に、TVは「天気の子」の話題で大変盛り上がりましたね。

実は今回、舞台挨拶付きの映画を鑑賞しました。
舞台挨拶の様子については、以下「ハニコログ。」にて別途記していますが、監督の大変素晴らしいお人柄に触れ、貴重なお話をうかがうことができました。

鑑賞前に制作現場のこととか、監督のお考えとかをお聞きすることで、映画本作もかなり楽しむことができました。

主要な登場人物

・森嶋 帆高(醍醐虎汰朗)……16歳の少年。離島に住んでいたが家出し、一人で東京へ。

・天野 陽菜(森七菜)……東京に住む少女。一時的に局地的な範囲を晴れさせることができる

・天野 凪(吉柳咲良)……陽菜の弟。モテモテの小学生。陽菜と二人暮らし。

・須賀 圭介(小栗旬)……オカルト雑誌の編集会社の代表。帆高を住み込みで雇う。

・須賀 夏美(本田翼)……須賀の事務所で働く女子大生。就活中。

ストーリー

離島から家出し、東京にやってきた帆高。
しかしアテもない上に、学生証を提示できない帆高ができるアルバイトはなく、生活は困窮。
家出する際に船で出会った怪しい男・須賀の元へ行き、住み込みで働かせてもらうことに。

そんな中、帆高は陽菜と出会います。
事情を抱え、弟と二人きりで暮らす陽菜。

そんな彼女は、祈ることで一時的に、局地的に晴れさせる不思議な能力を持っていました。

ここしばらく東京は、異常気象のせいで雨だらけ。
人々は太陽の光を強く求めていました。

貧しく暮らす陽菜たちを助けようと、そして晴れを求めている人に笑顔を与えようと、帆高は「晴れ女」で商売することを提案。

帆高、陽菜、凪の三人は都市伝説としても囁かれていた「100%の晴れ女」のサービスを始めるのですが……

映画を観た感想

あんまり深く描かれない部分が結構ありました。
この辺り「結局どうして?」「どうなったの?」と気になるというか、気にしてしまうところがチラホラ。
ストーリー的にも、あらを探せば色々出てきちゃいます。

公開前にマイナスのレビューをいくつか観ていて(子供には魅せたくない、不愉快など)、「あー、なるほど。こういうことか〜」と思いながら鑑賞しました。

これら気にしちゃうのは、歳をとったからなのかな。。
10代の若い子たちなら「うんうん、わかる」などと素直に全て受け入れられるのかもしれません。

でも、それらを踏まえても「観て良かった」と思える面白い映画でした。
ラスト間際、帆高の必死な姿に泣いちゃいましたしね。
一途で必死に生きる姿に胸を打たれました。

とにかくテンポがとても良くて、最初から最後までのめり込みました。
映像や音楽の演出が良かったです。
基本的に雨のシーンがめちゃくちゃ多いのですが、「水」の描写がとても綺麗。そしてそんな寒々しい光景の中に差す「光」も、暖かさも感じられるようでした。

以下、ネタバレを含む感想です。

ネタバレありの感想

帆高が家出をした理由は「光を求めて」ということでしたが、その理由でどうしてあんなに必死に「もう島には絶対に帰りたくない」と言っていたのか。それが分かりませんでした。
冒頭ではとにかく家出の理由を言いたくなさそうにしていたので、家や学校で辛い何かがあったのかな……と想像していたのですが、全くそんなことはなさそうで、ただ「東京へ向かっていった光の元へ行ってみたい」と。これだけでそんなに必死になれるのかなとちょっと疑問に。

陽菜が弟と頑なに二人暮らししている理由も結局分かりませんでした。
おそらく施設に入るとしたら姉弟であることを考慮して一緒に過ごせると思うんですが、「施設に入る=弟と引き裂かれちゃう」と思っていたのでしょうか。
帆高を追う警察に事情を聞かれた時に二人暮らしのことも指摘されたこと、ポロっと「バラバラになっちゃう」と悲痛な声を上げていましたもんね。

でもこれらも、考えてみると当然のこと。だって彼らはまだ子供なんですから。
多感で未完成な10代の心。「守りたい」というピュアな気持ちが、必死さに繋がるんですよね。そしてそのために、大人を信用できないんですよね。
きっと小さなことなら、誰もが経験あると思います。10代って、子供の時って、本当に繊細だから。

大人になって考えると、そんなことはなかったと思うことも多々あります。
でも10代の繊細な時期は、目の前のことしか見えません。自分が信じたことに、「必死」になることしかできないから。

この「必死な心」が、本作ではとても素晴らしく描かれていたと思います。
「ただあの人に会いたいんだ」あの必死な叫びに、私は思わず涙しました。

ただ、その必死な行動の後に何があったのか。
それを考えると、あんまりスッキリはしないかも。帆高は威嚇のためとはいえ銃を撃つし、就活中の夏美は帆高の警察署からの脱走を手助けして危険な走行するし、須田は警察官ぶん殴っちゃうし。

でも、帆高の必死な思いと行動がなければ、陽菜はいなくなっていた。
3年後にみんな笑顔だったから、正しい選択だったんでしょうね。

作中の大人はポンコツだらけでしたし。
線路走ってる時、「あんなに人いるのに誰も止めへんのかーい」ってちょっと心の中で突っ込んでしまった。笑

ラストについては私は好きです。
異常気象をおさえるために大切な人を犠牲にするなんて、私もしたくない。
世の中的にはハッピーエンドではないけれど、人としてはハッピーエンド。
この二人なら大丈夫。乗り越えられるでしょう。

舞台挨拶で新海誠監督が鑑賞者インタビューの流れで「須田の無精髭にも注目していただければ」とおっしゃってました。最初は黒い無精髭に、3年後の再会では白髪も混じっているとのこと。
この確認できるシーンは、ほんの数秒!
こんな細やかなところも描写されるのは、やはりさすがだなと感じました。