アメリカの大恐慌時代に実在した小柄な馬、シー・ビスケット。
厩舎から見放されたシー・ビスケットと、心に傷を負った3人の男たちが織りなす奇跡のお話。
映画としては王道のサクセスストーリーなんですが、これが実話っていうのが素敵。
演出が素晴らしく、臨場感溢れる映像はとっても引き込まれます。
競馬が好きではなくても楽しめるし、感動し、勇気をもらえる作品です。
記事ラストに一部ネタバレを含む感想があります。お気をつけください!
実在した競走馬の映画「シー・ビスケット」
アメリカの大恐慌時代、実在したシー・ビスケットという競走馬と、それを取り巻く3人の男たちを描いたストーリー。
ローラ・ヒレンブランドの小説「シー・ビスケット」が原作です。
原作小説はこの時代の競馬のディテールまで描かれており、競馬ファンには激アツだそうですが、私は未読で映画作品しか観ていません。
原作小説を読んでいなくても、競馬が全くわからなくても、鳥肌が立つほど感動する映画でした。
映画情報
シー・ビスケット(Seabiscuit)
初公開:2003年7月25日
監督: ゲイリー・ロス
国:アメリカ
上映時間:141分
配給:ユニバーサル映画
主要な登場人物
- シービスケット(馬)
サラブレッドなのに小柄なため、見放されていた競走馬。 - レッド・ポラード(トビー・マグワイア)
主人公。一家と離別して不幸な少年時代を送った騎手。 - チャールズ・ハワード(ジェフ・ブリッジス)
息子を交通事故で亡くし、失意の底にあった孤独な馬主。 - トム・スミス(クリス・クーパー)
故郷を追われて孤独な調教師。
ストーリー
1930年代、大恐慌時代のアメリカが舞台。
親の株が暴落してしまい、一家と離別して不幸な少年時代を送っていたレッド。
故郷を追われ、孤独になってしまった調教師のスミス。
愛する息子を交通事故で亡くし、妻からも逃げられ、失意の底にあった馬主のハワード。
そして、立派な親をもつサラブレッドなのに「なんと無力なんだ」と見捨てられていた小柄な馬、シー・ビスケット。
心に傷を負った3人の男達とシー・ビスケットの出会いは、とある奇跡を生み出します。
小柄な馬の活躍は、アメリカ中の国民をとりこに。
しかしそんな矢先、彼らに厳しい試練の時が訪れます。
果たして、シー・ビスケットや3人の行く末はどうなるのでしょうか。
映画を観た感想
極力ネタバレを含まない感想と、ネタバレを含む感想。
ネタバレなしの感想
まず、とにかくレースの迫力がすごくて圧倒されました。
全てCGは使わずに撮影をされたそうです。鳥肌モノでした。
私はこの映画を観るまで競馬ってあんまり良いイメージがなかったんです。ただのギャンブルのひとつだろうって。
でも、映画を観て一変。
実際にレースをこの目で見て、その迫力を肌で感じたいと強く思うように。
日本のディープインパクトもそうですが、小柄で期待されていなかった馬の活躍は本当に熱くなりますね。
役者陣の熱演も素晴らしく、登場人物の過去の辛さ、そして今の想いが痛いほど伝わってきます。
最初から最後まで目が離せませんでした。
実は公開直後に映画館で見た作品。
数少ない、パンフレットを購入した映画です。
以下、ネタバレを含む感想です。
ネタバレありの感想
苦しみ、何度も何度も立ち上がり、それでも諦めずに戦い抜く彼らの姿に、強く心を打たれました。
映画を観る前は「暗い大恐慌の時代を、たった一匹の馬が救う?そんなことあるわけないやん?」なんてひねくれていた私。
しかし観て納得しちゃいました。
落馬によって全身を強く打ち付け、2度と馬には乗れないと告知されたレッド。
そしてその後、レース中に靭帯断裂という大怪我をしたシー・ビスケット。
本来なら脚に怪我を負った競走馬は安楽死させられますが、ジョニーとシービスケットは共にリハビリを行うことに。
そしてラスト、一蓮托生で出場したレースでの大勝利。
ジョッキーとして、競走馬として、2度と立ち上がれないと言われた2人が起こした、信じられないようなとんでもない奇跡。
生きるのすら辛い大恐慌の時代に、「諦めないことで起こせる奇跡」を人々に見せてくれたんですね。まさに希望の星です。
私は現在、平和な国で割と平和な時代を生きています。それでもたまに心が折れそうになることもしばしば。
そんな私さえも勇気付けてくれるシー・ビスケット。
リアルタイムで観た人は本当に偉大な存在だっただろうな。
ちなみに最後のレースシーンは当時の映像を参考にレース運びから着順にいたるまで極めて忠実に再現されたそうです。
臨場感は本当に圧巻。
演出もストーリーも何もかも、素晴らしい映画でした。
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「シー・ビスケット」は動画配信サービスでも配信されています。
2022年9月7日現在、
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タイミングによっては「◯」と表記されていても配信が終了、または「−」と表記されていても配信が開始されている可能性があります。
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