【映画感想】のぼうの城〜「でくのぼう」と言われる城代が2万の大軍に500人で抗戦!

2019年8月21日ドラマ日本, 実話, 歴史系, 戦い

のぼうの城

★★★★★★★☆☆

どこか抜けている忍城の城代・成田長親は、家臣だけでなく領民からも「でくのぼう」を略して「のぼう様」と呼ばれています。
しかしそれは単に揶揄されているわけではなく、その人柄で親しまれていたから。

そんなのぼう様が、石田三成率いる2万軍の水攻めから、領民を守るべく立ち上がります。

少数vs多勢。豊臣秀吉が唯一落とせなかった忍城の、史実に基づくストーリー・のぼうの城
歴史を知らなくても楽しめる作品です。

※記事ラストに一部ネタバレを含む感想があります。お気をつけください!

歴史小説原作の映画「のぼうの城」

2007年に発行された歴史小説、和田竜著の「のぼうの城」が原作。
第36回日本アカデミー賞では10部門で優秀賞を受賞し、美術賞で最優秀賞を受賞した作品です。

壮大なスケールで描かれた、戦国のエンターテインメント超大作です。

映画情報

のぼうの城
初公開:2012年11月2日
監督: 犬童一心・樋口真嗣
国:日本
上映時間:144分
配給:東宝、アスミック・エース

主要な登場人物

・成田長親(野村萬斎)……主人公。成田家の当主・氏長の従兄弟。

・成田氏長……成田家当主。

・甲斐姫(榮倉奈々)……氏長の娘。おてんばで、長親に好意を寄せている

・正木丹波守利英(佐藤浩市)……成田家家老。「漆黒の魔人」という異名を持つ。

・酒巻靭負(成宮寛貴)……成田家家老。多数の兵法書を読み漁る若者。

・柴崎和泉守(山口智充)……成田家家老。筋骨隆々とした巨漢で戦う。

・石田三成(上地雄輔)……秀吉の側近。2万の軍を率いて忍城を取り囲む。

ストーリー

天正18年、戦国の世。

何かと失敗が多く、「でくのぼう」を略して「のぼう様」と呼ばれる成田長親。
しかし領民は愛着を持ってそう呼んでおり、成親は絶大な人気を誇っていました。

そんな中、天下統一を目前にする豊臣秀吉の軍勢は、関東最大の小田原城への攻略を開始します。
支城の一つである忍城の当主・氏長は小田原城の籠城作戦へ出向き、その間は長親が城代として忍城を守ることに。

そして当主が留守の間に、長親は本来の予定ではなかった忍城での「戦」を始めます。
結果、忍城は石田三成率いる2万もの大軍に攻められることになってしまいました。

武力があるわけでも、知略に優れているわけでもない長親。まさに「でくのぼう」にふさわしい男です。
しかし、彼には領民からの絶大な「人気」と「信頼」がありました。そして、「領民を何としても守る」という強い意志も。

忍城にはそんな長親と、農民を含めた僅かな軍勢。
周囲を湖に囲まれた地。

果たして、この絶体絶命の状況をどのように切り抜けるのか。

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映画を観た感想

圧倒的な戦力差の中で立ち向かうストーリーは本当にアツイですね!
数が劣る中で、一歩も引かずに必死に防衛する戦いはなんともいえない面白さがあります。

とはいえ、少数の戦力で大軍を迎え撃つアツイ展開は、映画でも漫画でもゲームでも割とよくあること。
でも、それに対抗するのが「知略や武勇」ではなく「人柄」というのがこの作品ならでは。

成田長親という人物が大変魅力的なんです。
普段はただの「でくのぼう」でも、大事な時に必死に誰かを守る「強さ」がある。
こんな人になりたいです。

そしてその長親を演じる野村萬斎が圧巻。
というより、役者陣全体が素晴らしい。それぞれの個性が光り、それぞれの戦いがたまらなくカッコイイ。アクションシーンも楽しめます。

歴史に疎かった私でも魅入られ、最初から最後まで目が離せない作品でした。

以下、ネタバレを含む感想です。

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ネタバレありの感想

とにもかくにも、やっぱり長親のキャラクターの魅力が強いです。

失敗が多いし、賢く見えないし、馬にすら上手に乗れないし……そんな「でくのぼう」なのぼう様。

しかし、人の心を掴み、人から愛される力。そして、「絶対に領民を守る」という信念。
それは多くの人の心を動かし、燃えたぎらせ、100%以上の力を発揮します。
身分の低い人たちも、長親のためならば命を賭けることさえ厭わない。
戦さをすること自体は農民たちは大反対してたのに、「戦うこと」を選択したのは長親だと知ると大笑い。「どうしようもねぇなぁ」なんて言いながら、一致団結で迎え撃つことに。

武力を持たずして、これほど人から信頼される城代がいたのでしょうか。

水攻めが行われた時、単身で敵兵の前に船を出し、田楽踊りを披露する長親。こんな危険な策を自らやるなんて、普通じゃ考えられないことですよね。
敵すらも笑わせる長親。でも、その心には「自らが犠牲になる」と秘めていた。
この「強さ」、半端ないです。

小田原城落城時までもちこたえた支城は忍城だけ。
豊臣秀吉が唯一落とせなかった城。本当、長親はスゴイ。

ラスト、甲斐姫についてはハッピーエンドとは行きませんでした。
秀吉の側室になるお話、こっそり聞いていた甲斐姫と、それに気付きながら了承する長親の表情。それが何とも言えず、ちょっと切ない気持ちに。
そもそも元々降伏するはずだったのに、挑発する相手の「甲斐姫を秀吉に差し出せ」から(これだけじゃないけど)この戦が始まったので……

全部ひっくるめて素晴らしい映画でした。

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2019年9月10日現在(随時更新)、上記の表で「◯」がついたサービスで配信されていることを確認しています。

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